服部新聞 平成29年8月5日 135号

展示即売会のお知らせ・ホワイトオーク材

展示即売会のお知らせ・ホワイトオーク材

9月23日~9月24日の2日間、服部商店岸和田本社倉庫にて、3大産地『ウイスコンシン・オハイオ・バージニア』のホワイトオーク材を比較して見て頂きます。
日本国内で現在流通しているホワイトオーク材(現地挽き・国内挽き)で、はっきりと産地を明確に表示している材は服部商店以外にないと思います。
食べ物(牛肉等)は、我々国民は産地表示をしている商品を求めています。加工食品までも将来産地表示は求められるのは当然だと思っています。このような情報公開も、木材業界が発展する為には必須では有りませんか。デパ地下での試食でも3つの産地(牛肉なら国内産和牛・オーストラリア産・アメリカ産)の食材を食べ比べは簡単には出来ないと思います。
我々木材業界は、現在深刻な閉塞状況『神様の贈り物の無垢材が求められていないのではないかと言う疑心暗鬼の状況』に落ち込んでいるように思います。その一つの理由が、情報公開をしていないのだと小生は考えています。
某プレハブメーカーが広告にカタカナで○○ウッドと呼んで住宅を販売していますが、その広告に対して、この広告の批評を我々は行なっていますが、それより我々の商品の特徴を堂々と語る、所謂情報公開を行なう事が本当の意味の消費者目線ではと考えています。
今回の企画である3つの産地の材をお見せすることは、今までの慣習では、有り得ない事です。理由は色々あると思います。

  1. 流通を考えると一番産地の材を求められる。
  2. 産地間の価格を知られる事が商売をやりにくくすると思っている。
  3. そんな事は全く考えていない。

まだまだ色んな理由があるとは思いますが、この際堂々と皆様に見ていただく事が、今後の新しい木材業界のあるべき姿勢に繋がり発展があるのではと確信しています。
ところで広葉樹のトレンドはホワイトオーク材とブラックウオールナット材ですが、今後も続くのか、それとも変化するのかは、解りませんが、もし変化したときの材を、今から用意していると聞いたら、是非見たいと思いませんか。それがブラックチエリー材だとしたら如何ですか。

ホワイトオーク材を比較

深刻な日本の病・警告されている

日本国内で最も深刻な病は林の環境だと思います。日本人は戦争も無く大きな自然災害を除けば凄く幸せだと思います。しかし深刻な病に感染しているのに気が付いていないのではと思います。
今年は北九州の豪雨災害。昨年は北海道・南富良野。一昨年は広島と未曾有な豪雨災害によって多大な人命が失われています。過去10年毎年日本列島の何処かで豪雨による災害が起きています。
少し話題を替えます。日本で最も降水量が多いのは、屋久島です。1年365日で370日雨が降ると言われているにも関わらず、屋久島登山が出来なくなると言う報道は耳にした経験は殆どないと思います。何故日本で一番多い降水量の多い屋久島で豪雨災害が起こる可能性が低いのか、それはたった一つの理由『自然の森林』だからです。
漠然と自然の森林とは何と聞くと木に携わる本職の材木屋でも答えるのは非常に難しいと思いますが、それは林では無く森に違いないと思います。森と林の違いは天然林が多いのが森、人工林が多いのが林と定義付けられれば割と聞きやすく納得して頂けるのではないでしょうか。
小生は昭和33年生まれの今年10月で59歳です。21歳4か月から3年3か月間愛知県にある東海木材相互市場の浜問屋・名古屋市売木材でヒノキ・スギの製品原木を扱ってきました。その当時の良い思い出と言うより辛い3年3か月間だったような思いですが、その時代が一番日本のヒノキ・スギが輝いていたのだと思います。ヒノキの105角と120角を製材する適材は14センチ~18センチの原木です。当時の価格はM3当たり55,000円~60,000円前後でした。現在の価格はM3当たり20,000円以下です。
どうして半値以下に単価が下がったのでしょう。需要が無いからです。それなら需要を増やせば良いと思うでしょう。それも出来ないのです。
よく新聞紙上で見る記事で日本は生産性が低い、極一部の自動車産業・半導体以外は生産性が低いと言われていますがそれが事実かもしれません。日本の林は特に生産性が低いのだと推定出来ます。それが価格に反映しているのだと思います。
しかし、どうして生産性の低い林に落ちぶれたのでしょうか?それは国の政策の最大の誤り『森林経営と称して成長の遅い広葉樹を伐採し成長の速い針葉樹を植えた。』が木材価格の暴落に繋がったのではないでしょうか。
人間の必需物資の中で最も大事な資源は水です。美しい水が無いと我々は生活出来ません。豊かな森林は山から川に水の恵みを運びます。美しい森林は美しい海に繋がり、森林と海から天然の御馳走を頂くのです。その途中に有るのが畑・水田です。そこでは主な主食のお米と人間の体に大切なビタミンを育む野菜を人間は育てるのです。
それが一気通貫で繋がり人間と自然が調和しているのです。普通は、しかしその普通と言う文字が不通に変化しているのが日本の国土だとあなたは知ったらどう感じます。嘘だと言われる方が殆どだと小生は感じています。
そうかと言って何も手をこまねいていないと日本国の政府は考えていると思いますが、残念ながら打つ手が無かったらどうします。
結論を言います。日本のヒノキ・スギはヨーロッパのホワイトウッド(ヨーロッパ・トウヒ)に負けてしまったのです。その結果がヒノキ・スギの価格が暴落に繋がったのです。そして山に手を入れる事が出来なくなってしまったのです。
森の恵みとは言いますが、林の恵みとは言いません。その森と言う生き物は、成長していく広葉樹・針葉樹立木を森が伐採しても良いと言っている量からはみ出て多く過伐採すると林になりさがるのです。一度林になりさがると簡単に森には戻らないのです。
日本中のヒノキ・スギを生産するのが林だったらそれなりの事『山の手入れと新しい山の経営』を実行しないとそれは災いに繋がります。それが豪雨災害です。
国有林の林は適度に間伐もしていますし、間伐材の切り捨て御免材『民間の林も間伐は行われていますが、切り捨て御免材と言って放置されています。』は有りません。国は林の本当の事を知っているから、現在の林に対する方法を施しているのです。
今年の九州の豪雨災害の地区が民有林なのか国有林なのかは、新聞に掲載されていないので解りませんが、民有林が多いと容易に想像出来ます。
又それは崖崩れした林から大量に町に流れ込んだ流木の姿を見たら、やけに皮の剥けた流木の多い事に小生は気づきました。それは切り捨て御免の間伐した放置した木ではないかと思います。
この様な状況の日本の森林ですが、森と呼べる場所は本当に少なくなっています。ほとんどが林なのです。
その林が1年間に成長して増える量は日本人一人当たり1立法なのです。10年間に10億立方の林が育っていくのです。そんなに多くの蓄積量が有る森林大国日本が何故世界中から大量の木材資源を輸入するのですか?皆様本当に不思議では有りませんか。
服部商店の取り扱う商品の主な樹種は広葉樹です。広葉樹(一部を除き)は森の恵みです。決して林からは生産されません。もし潤沢に生産される状態ならば、アメリカまでわざわざ出かけません。日本国内に優良な広葉樹原料は有りません。無いと服部商店はやっていけませんし。社員を路頭に迷わします。どうしても海外に買いつけに行かないといけないのです。
話を針葉樹に戻します。同材をどうしても使わざるを得ないと国は考えています。その為には幾つもの選択肢が有る様に思えますが、もし選択肢が一つだとすればどう皆様は考えます。

  1. 日本のヒノキ・スギの価格を高くする為に補助金を出す。→WTOから訴えられ負けます。
  2. 一般住宅にヒノキ・スギを使って欲しい→予算が無いので無理。
  3. 建築士さんが要請する。→大工が不足しています。

50年先の国の将来の政策は決まっています。その唯一の方法は成長の速いヒノキ・スギを徹底的に使います。そして明治時代以前の森林に近い形に戻すのです。私は森林の学者ではないので、どんな森林と質問されても答えにくいですが、産業革命が日本で起こった明治以前の日本全国に有った森に近い形に戻すことが災害を含めた日本人の安全保障に繋がるのです。
そんな未来の事を言っても、仕方がないのではと言われる方が大勢だと思いますが、まず将来の事を決めてから現在国が施工している政策を見ると、仕方がないと言わざるを得ないと思います。
現在日本国内で成長し続ける人工のヒノキ・スギ等の針葉樹は木質バイオマス発電と針葉樹合板、そして国立競技場で使われるCLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の3つが大きな柱にならざるを得ないと思いますが、森林と言う生き物は50年、100年先の事を先に決めてから現在の事を実行しなければならない生き物だと小生は考えています。
服部新聞では政治色を書かないのですが、ここだけは書かせてください。族議員がどこの業界でもいます。
山から海まで族議員を数えると林野族・農協族・農林土木及び農業建設族・水産漁業族と小生は数えましたがもっと多くいるかも知れませんが、林野族が最も政治力がないのではと思います。
コンクリートで作ったダムは、上流から流れてくる土砂が堆積します。従って浚渫(しゅんせつ)作業が必要です。もし屋久島の森林に近い形の森に近い林になると、無駄なダムは必要有りません。それどころか所謂公共事業と呼ばれる物に使うお金を、今の若い子供たちに使う事が出来れば、日本の将来は明るいとは思いませんか。
私が述べた2ページは絵空事では、決して有りません。もう一度簡潔に下記に書きます。

  1. どんな形でも現在成長し続けるヒノキ・スギを使う。
  2. その後に元々有った森林に近い山作りをする。(お手本は明治神宮の森です。)

コンクリートで作る物から自然の理屈の物に当面変わる事で、人の雇用は引き継がれる。ランニングコストが少なる事で税金の使い道を変更出来て、財政の硬直が少しでも改善して国民全員が幸せになる。
ブラックチエリー材の一番産地はペンシルバニアです。他の産地との価格差は本当に大きいです。
服部商店のホームページの同商品の6月以降に新規アップしている情報にはペンシルバニア産か他産地(ウイシコンシン産)と明確に表示しています。しかし写真では、その違いは解らないと思います。この違いを知る事の方が展示即売会に有った企画かも知れませんが、平素御客様からのお聞きしている話の情報を綜合してみるとホワイトオーク材の展示即売会の方が当を得ていると考え実施させて頂きます。
ブラックチエリー材の産地比較の差の方がホワイトオーク材の品質の差と比べてこんなに違うのかとびっくりされると思います。
今回の企画は勿論服部商店の為ですが、そんな小さな考えはしていません。堂々と産地の違いを見て頂いたら、この現場にはこの産地の材を使う。この現場の御客様はこだわりが有るので一番産地の材を使おうと言う思いが沸々と沸いてくると小生は思っています。情報公開こそ無垢材の振興に欠かせないイベントだと考え企画しました。

我々は生かせて頂いています

私の家の壁についているセミの抜け殻

私の家の壁についているセミだと思うのですが、虫の抜け殻です。7月11日朝5時1分に発見しました。
小生の住まいには小さいですが10坪の庭が有ります。その庭には材木屋的に言えばただの木を植っています。サルスベリ・寒椿・マツ・マキ等ですが、毎年蝉の声は昼間静かではないです。何時頃から聞こえるようになったか記憶は有りませんがこの家を亡き父が建ててくれたのが昭和62年です。蝉は5年位土の中で成長するので少なくとも平成5年位から鳴いていたと思いますが、正しい記憶は有りません。どこからか飛んできて子孫を残しているのです。

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